創部70周年記念誌Web版
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創部者が語る甲南卓球部(S40卒 旧姓久利)

私が初めて卓球のラケットを握ったのは中学2年時で、高校でも少ししていましたが、本格的にやりだしたのは昭和36年に甲南大学に入学し卓球部に入れてもらってからです。
当時女子は募集していませんでしたが、中学時の同級生・樹下勝史さんが入部されたことを知り、橋渡しをお願いした結果、誰かと一緒ならと言われ、知り合って間もない万並よし子さんを誘って何とか入れていただき、二人だけで出発でしました。

女子の入部は何年かぶりとのことで、男子部員は皆とても優しかったですが、互いに接し方に戸惑いがあり、卓球で必要なこと以外は殆ど話をしませんでした。(唯一例外は、既に卒業しておられた先輩の堤 明さんで、気さくに話しかけて気を使っていただいたりしてとても有難かったです)翌年には数名の入部があり、だんだん女子部としての形を成していきました。ただ、時々思わぬ問題が起きたりしました。
例えば、ある時後輩のお父様から、私の親に突然電話がかかり、「お宅は大事なお嬢さんを男子学生と一緒の合宿に参加させるのですか」と言われ困りましたが、石井教授(後輩の石井淳子さんのお父様)のお力添えで「決して事故は起こさない」との男子部員の約束の元に無事参加が決まりました。そして合宿では大いに練習ができ実力も向上したと記憶しています。

当然の事ながら、私たちは夏休みでも毎日のように練習しました。練習を終え、体育館裏の民家の方のご厚意により、時々井戸水を飲ませていただくことがあり、その美味しさは今でも忘れられません。当時は練習が終わるまで水分補給は禁じられていました。
幸い、私が入部してから毎年素晴らしい後輩の人たちに恵まれ、最下位の部から出場した団体戦では毎回優勝して入替戦にも勝ち、卒業の時には2部まで上がっていきました。私の青春は正に卓球と共にあったといっても過言ではありません。

大学を卒業して早55年以上経ちましたが、健康維持、ぼけ防止の為今でも趣味の一つとして卓球を楽しんでいます。約 10 年前に右足の人工股関節置換手術を受けたので広範囲の動きは出来ませんが、月数回卓球をしに出かけ白球を追いかけています。(今でも昔の四角いラケット、ペンホルダーにぎりです)卓球は本当に面白く奥深いものですしストレス解消にもなります。

甲南大学卓球部での活動や仲間との交流は今も鮮明に思い出され、いろいろな意味で私にとって宝物となっています。